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日 付 2000/06/20  朝・夕刊 朝刊  その他  5  1版 
見出し 社説/WUB世界大会/ネットワークが本格始動 
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社説/WUB世界大会/ネットワークが本格始動


 世界に根を張り、活躍する沖縄県系人ビジネスマンのネットワークがいよいよ本格的に動き出す。
 WUB(ワブ=世界ウチナーンチュ・ビジネス・アソシエーション)の第四回世界大会の開会式が二十日、那覇市内のロワジールホテルで行われる。今月十七日、前夜祭「ワールド・ミュージック・フェスタ2000」で幕開け、二十四日まで、国際ビジネス交流商談会などが催される。
 WUBは沖縄県系人ビジネスマンが連携し、国際的なビジネス・ネットワークを構築することを目的に一九九七年に設立された。本部はハワイにあり、これまでに沖縄をはじめ、北米、アルゼンチン、ボリビア、ペルー、ブラジル、香港、フィリピン、東京、関西など国内外に支部が設置され、今月に入って中国支部(福州市)も設立された。全部で十二支部を数えるまでになった。ハワイ、ブラジル、ロサンゼルスと過去三回世界大会が開かれたが、これまでは組織固めもあってどちらかというと親善や交流にウエートが置かれていた。
 しかし、母県沖縄で開催される今大会から本来の目的である国際的ビジネス・ネットワークの構築が具体的に動き出す。企業誘致やジョイントベンチャー情報提供、県産品の世界販売戦略などについて発表されるほか、県内の先端企業や特別自由貿易地域などの視察も行われる。国際ビジネス商談会、交流会も計画されていて商品や企業紹介などもある。
 世界で活躍する沖縄県系人が手を取り合って国際的なビジネス・ネットワークをつくろうという機運は、九〇年の第一回世界のウチナーンチュ大会をきっかけに高まった。当初は交流すること自体に意義があったが、相互に経済的なメリットがあった方が交流も長続きするという意見が出され、そうした考え方がWUB設立へと発展していった。各国に住む関係者の努力がようやく実を結んだわけで、ここまでこぎつけた関係者の労苦をたたえたい。
 県もWUBの動きに注目しており、補助もしている。本来なら今年が第三回世界のウチナーンチュ大会開催の年であったが、サミット開催とぶつかったため世界のウチナーンチュ大会は来年になった。来年の世界のウチナーンチュ大会をよりいっそう盛り上げるためにも、今沖縄大会の成功が期待される。
 サミット直前に開かれるWUB沖縄大会だが、これはポスト・沖縄サミットとも関係、今後の沖縄を中心とした経済活動にとって大きな可能性を秘めているだけに、北米、南米、アジアなど世界のビジネス界で活躍する県系人が一堂に会する意義は大きい。
 世界の県系人のネットワークをさらに強固にし、ビジネスその他の面でつながれば、二十一世紀に向けて、新しい時代の万国津梁の役割を果たすであろう。今大会の成功を祈っている。



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