日 付
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2000/09/03 |
朝・夕刊
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朝刊 |
面
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社会 |
頁
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24 |
版
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1版 |
見出し
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ウチナーネット未来へ/ITでネット拡大へ/直接会う意義は変わらず |
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本 文
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ウチナーネット未来へ/5/ITでネット拡大へ/直接会う意義は変わらず
今年八月一日、那覇市内で開催された第三回世界のウチナーンチュ大会実行委員会の結成総会で、稲嶺恵一知事は「あらゆる分野での持続的な交流を促進する契機にし、相互の発展と活性化に貢献することを目指したい」とあいさつした。
来年の大会では、県系人の世代交代に対応し、ウチナーンチュのアイデンティティーの継承や、海外と沖縄の経済的なつながりを一層重視したイベントが企画される予定だ。
実行委事務局の野原耕栄局長は「第一回大会は県系人の里帰りという趣旨だった。第二回大会を機にWUBのような経済的ネットワークが出てきた」と大会の歩みを振り返る。
第三回大会の狙いは何か。野原局長は「沖縄と各国のウチナーンチュをウェブでつなぎたい。IT(情報通信技術)を用いたネットワークの拡大が大きな目的だ」と説明する。
今後、県は三年から五年をめどに県人会、民間大使を対象とした機器整備や県系人データバンクの構築などを進める考えだ。
実行委副会長の一人、安室肇県国際交流・人材育成財団理事長は「急に県人社会をITで網羅するのは難しい。実情に即し、電話やファクスなど現在の通信手段を活用することから始めるべきだ」と話す。
もちろん、ITによるネットワークがすべてではない。第二回大会の担当副知事だった東門美津子氏(衆院議員)は「ビジネス面ではITは意味があっても、基本は人間対人間。お互いに会って話し合うことに大会の意義があったのではないか」と率直に語る。
安室理事長も「五年に一度はネットワークを構築している者同士が集まり、顔と顔を合わせることが重要だ」と述べるとともに、「三世、四世は移住国の人間になり切っている。大会で沖縄を訪問し、理解することが大事。その意味で、ウチナーンチュ大会の意義、役割はますます評価される」と強調する。
第三回世界のウチナーンチュ大会は来年十一月一日から四日までの日程で開かれる。県は海外三十一カ国から四千五百人の参加を見込んでいる。ウチナーンチュ・ネットワークの未来が展望できる大会が期待されている。
(おわり)
(編集委員・小那覇安剛)
■メモ 国際交流情報センター 第二回大会の共同コミュニケで各国県系人とのネットワークの拠点となる国際情報交流センターの設立が提起され、県は一九九六年に本計画を策定した。しかし、財政上の問題や政府の沖縄特別調整費(五十億円)プロジェクトとの調整が必要なため、現在、計画がストップしている。
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