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日 付 2001/02/25  朝・夕刊 朝刊  経済  8  1版 
見出し 日曜インタビュー/ITと物産に力点/東京市場参入を模索/WUB世界大会実行委員長/長嶺 為泰さん 
本 文
日曜インタビュー/ITと物産に力点/東京市場参入を模索/WUB世界大会実行委員長/長嶺 為泰さん


 今年十月下旬に東京で開かれる第五回WUB(世界ウチナーンチュ・ビジネス・アソシエーション)世界大会に向けて、WUB東京を中心とする大会実行委員会がこのほど発足した。東京大会では情報技術(IT)を最大限に活用する一方、東京市場参入の機会創出を模索するなど、ビジネスに特化した大会運営を目指している。大会実行委員長に選任されたブラジル銀行東京支店調査役の長嶺為泰氏に大会の意義や取り組み状況などを聞いた。

 ―東京大会の開催意義をどのように考えるか。
 「WUB世界大会と世界のウチナーンチュ大会が、国内で同時開催できること自体、大変意義がある。また、世界のビジネスマーケットで開催できるということに尽きる」
 「東京には、世界中の企業と商品と資金が流入している。それだけ、市場参入はハードルも高く、WUB関係者には困難な市場だと思われていたが、インターネットの活用を考えれば、東京市場への進出は可能な時代になっている。東京市場の人口は沖縄の約十倍の千三百万人。現在の経済活動が好調と言えないまでも、それなりの所得と消費は海外企業から注目の的だ。また、東京には各国の大使館が集中しており、今後も各国との友好関係を保つために、WUBの支部がある各国大使館に後援を要請し、民間レベルでの交流も推進する予定だ」
 ―大会に向けた現在の準備状況は。
 「今月八日のWUB東京総会で、東京大会の実行委員会規約が承認された。大会役員のほか、『物産・物流』『IT』『広報・記録・プログラム』『宿泊・宴会』『イベント』『記念誌出版』『学生』の七つの部会が承認された」
 「七つの部会は、マスト&オプション方式を採用しているのが特徴だ。大会実行委員会として責任を持って実行するマスト部会と、実行可能かどうかの検討期間をおいて、実施の可否を決めるオプション部会に分かれる。現在、それぞれが積極的に部会を開き、状況を報告してもらっている」
 ―大会までのスケジュールと課題は。
 「すでに全体の日程表を作成し、それに従って進行確認と、問題点の解決に対応することを確認している。
会員拡大と東京大会の認知度を高めるため、昨年末から都内で開かれる沖縄関係団体の会合に必ず参加し、すでに二千人以上の沖縄関係者にチラシを配布した。課題は資金面で、現在、東京都へのコンベンション助成金の申し込みを行っている。大会参加料、パーティー参加費、広告費などを主な収入源と考えているが、目標金額には達していない」
 ―特に力点を置いている取り組みは。
 「ITと物産だ。第四回沖縄大会で初の物産交流会が開かれ、予想を上回る六十数社が出店し、商談取引した。沖縄大会を継続し、一歩でもステップアップしたい。海外のWUB会員の物産と、ITによる『流通と情報の伝達』に特化した大会が東京大会の使命と考える。IT革命は世界経済の潮流であり、幸い東京会員はIT専門家が多く、部会も活発だ。インターネットに消極的だったWUB東京会員の多くがネットに接続し、電子メールでの伝達効率を高めている。海外メンバーへの刺激になれば、東京大会の目的の主な部分は達成されたも同然だ」
 (聞き手 東京報道部・外間聡)



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