琉球新報 記事詳細

日 付 2001/08/13  朝・夕刊 朝刊  国際  7  1版 
見出し 交差点/企業戦略を今一度点検して 
本 文
交差点/企業戦略を今一度点検して


 最近、中国を訪れる沖縄の企業家が増えているようだ。ここ福州でも見かけるのだ。原材料調達から半製品、あるいは商品の購入である。理由の一つに、ある小売業者によると、「これまで、大阪、九州から仕入れ、沖縄で販売してきたが、競争の激化で利幅が薄く、経営が窮地に陥った」これからは、中国から直接仕入れることにしたと。
 これは、中間マージンを無くし、競争力を強化する上で確かに戦略的である。ところが、実態は厳しい。中国からの輸出手続きは、法的に輸出会社あるいは輸出許可を有する会社が担うことになるのだが、独自で中国の工場や卸商から購入し、輸出手続きのみを輸出会社に依頼するとなると、事はなかなかスムーズには行かない。輸出会社としては、輸出手数料のみに甘んじることはないのである。ややもすると、工場や卸商からの仕入れ価格に、輸出会社の中間マージンを上乗せした価格で購入する羽目にもなりかねない。さもなくば、輸出手続きをしてくれないことも起こりかねないのである。
 このようなことは、取引量の少ない沖縄の中小零細企業や個人経営企業の多くに言えることであろう。さて、あなたの戦略をいま一度再点検し、さらなる工夫をしてみませんか。企業家同士の連携や中国WUB沖縄会(中国進出沖縄企業のネットワーク)の活用を通して。
 (中国福州事務所長 仲宗根信明)



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