琉球新報 記事詳細

日 付 2001/10/01  朝・夕刊 朝刊  特集  18  1版 
見出し 経済で地域を活性化/華僑の戦略に近づけたい/牧志泰三氏(WUB沖縄会長)/第3回世界のウチナーンチュ大会(11月1日―4日) 
本 文
経済で地域を活性化/華僑の戦略に近づけたい/牧志泰三氏(WUB沖縄会長)/第3回世界のウチナーンチュ大会(11月1日―4日)


 ―世界のウチナーンチュ大会を機に発足した県系人のビジネスネットワークWUBの活動の現状を。
 「一番新しい台湾支部を含め、十三カ国十六支部があり、会員は四百人を超える。業種はさまざまだが、市場の大きい北米と東京はIT関連企業が多い。シンガポールでは、ノートパソコン入りのアタッシュケースを抱えた沖縄出身の青年がパスポート片手に世界で活躍していた。条件の良い企業を渡り歩く話を聞き、こちらまで血がたぎる思いだった」
 ―昨年沖縄で開かれたWUBインターナショナルの世界大会では、十件前後の商談があったと聞く。支部の会員による国境を越えたビジネスは。
 「例えば、沖縄と香港の支部が連携し、県産モズクを香港で販売展開している。また、アジアのある地域で実際に髪の染料に使われている植物を、現在沖縄で栽培しており、製品化に向け現実に動き出している。表には出にくいが、個々の間で取引もある」
 ―会長が考えるWUBの精神とは何か。
 「ウチナーンチュビジネスマンが中心になり、経済活動を通じておのおのの地域活性化に役立てること。WUBは、世界地図上で見ると半分以上の地域を網羅しているので、自分の地域にも相手の地域にもためになるような経済活動を展開したい。私自身、第三回の北米大会に初めて参加した。昼間は違う言語で議論を交わす県系人が、パーティーでは一様にカチャーシーに熱狂しているのを見て、うまくいくのではと思った。人の気持ちが一つになることが大事。メールが来れば顔が浮かぶような親しさがないと商売には結び付かない」
 ―他支部とは違うホームグラウンドとしてのWUB沖縄の役割は何か。
 「規模などの面で経済ではメジャーになれないが、人と人とのつながりを強化するマネジャー的な業務ができる。声かけしたり、右の情報を左に流すことができる」
 ―WUBの今後の課題、将来像は。
 「まだホームページを持っていない支部もあり、活動に支障を来している。何が情報化を妨げるネックなのかをつかみ、情報のネットワーク化に取り組む。ビジネス面では、興味を通り越し、実際に仕入れ、売ってみるという第二段階にきている。ステップバイステップでいけば、華僑などの商売戦略に少しでも近づけるのではないか」



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