琉球新報 記事詳細

日 付 2001/10/31  朝・夕刊 朝刊  特集  16  1版 
見出し 第3回世界のウチナーンチュ大会/WUBのあゆみ/2000年国際商談会を開催/13ヵ国・16支部で積極活動 
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第3回世界のウチナーンチュ大会/WUBのあゆみ/2000年国際商談会を開催/13ヵ国・16支部で積極活動


 世界に広がる沖縄県人のネットワークを通じた経済交流を追求してきたWUB(ワールドワイド・ウチナーンチュ・ビジネス・アソシエーション)は、ウチナーンチュ大会開催直前の十月二十九日、東京で世界大会東京2001を開催した。「ITで結ぶ二十一世紀WUB」をスローガンに掲げた大会ではブロードバンド(高速・広帯域通信)時代のウチナーネットの在り方を論議した。
 WUBは、第二回世界のウチナーンチュ大会(一九九五年開催)をきっかけに九七年に発足し、第一回世界大会をハワイで開催した。母体となったのが、WUBインターナショナル前会長のロバート・仲宗根氏らが九三年に創設したHUB(ハワイ・ウチナーンチュ・ビジネス・アソシエーション)だった。
 その後、ブラジル(第二回・九八年)、ロサンゼルス(第三回・九九年)で世界大会を開き、県系ビジネスマンの交流を深めながら、WUBは組織固めを進めてきた。
 親ぼく団体的な性格を残してWUBは、二〇〇〇年六月の沖縄大会から、本来の目的である国際的ビジネスネットワークの構築に踏み出した。国際ビジネス商談会を初めて開催し、そこで成立したビジネスが始動した。沖縄大会はウチナーネットを背景にWUBの商社機能、ビジネスチャンスの可能性をアピールできた好機となった。
 二〇〇一年九月現在、WUBは十三カ国・十六支部で活動している。会員は四百二十人で、今年に入ってヨーロッパ、台湾、シンガポールで支部が設置された。今後、メキシコ、カナダでも支部設置が予定されている。
 本紙が今年九月末に実施したWUB会員アンケートでは、七割の会員が、人的ネットワークの広がりや、沖縄県とのつながりの強化などを理由にWUBの活動がビジネスに役立っていると回答。活動の課題として、会員間の情報交換の促進や、広報活動の強化を挙げた。
 さらに会員は今後のWUB活動の発展に向け、「華僑、ユダヤ人に見習い、『琉僑』的組織づくりをする必要がある」「WUB宣言などコンセプト・スピリッツが必要」などの意見が寄せられた。
 各国県人社会の中心メンバーが二、三世へ移行が進んでいるのと同様に、WUB会員も若い世代が主軸を担っている。県人社会の世代交代によってウチナーンチュの気質も変容しつつある。国による温度差、習慣の違いという課題にもWUBは今後直面する可能性もある。
 それをクリアする手段として、今回の東京大会のテーマとなったITが力を発揮することにもなろう。
 結成から四年。三十万人余の海外県人のネットワークと県経済発展の新たな可能性として注目を集めてきたWUBは、過渡期から新たな段階へ踏み出しつつある。


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