琉球新報 記事詳細

日 付 2002/01/14  朝・夕刊 朝刊  その他  4  1版 
見出し 記者の余録/沖縄の魅力/宜保靖(政経部) 
本 文
記者の余録/沖縄の魅力/宜保靖(政経部)


 「八重山に4カ月滞在して撮影してきた。自然や祭り、お年寄りもたくさん撮った」。久しぶりに会った写真家の大塚勝久さんは、いつもの笑顔で近況を語った。
 大塚さんとは、1999年米国ロサンゼルスで開かれたWUB世界大会の取材で知り合った。ロサンゼルスの日米文化会館で、沖縄を撮影した写真展「南の風」を大塚さんは開催していた。この写真展は反響を呼び、毎年米国各地で開催され今年はフロリダ州で開く。
 大塚さんは沖縄の日本復帰直後から30年間、沖縄の自然や祭り、人々を撮り続けている。
 「沖縄の魅力とは何ですか」と聞いた。
 「神、自然、人との共生が私のテーマです。沖縄の、特にお年寄りの生き方に共生を見る」という。「お年寄りは、沖縄戦はじめ、さまざまな時代の波にもまれながらも、苦難を乗り越えてきた。そして沖縄の年中行事や祭りの中で、自然や神へ感謝の念をもって生きる生き方に共感する」と補足した。
 「金もうけ主義、国同士の領土拡大争い、そんなことを追求しても幸せには到達しない。世界中の人が沖縄のお年寄りのように共生の生き方をすれば、平和な世界が実現する、という思いで写真を撮り続けている」。米中枢同時テロ以後、殺伐とした中、大塚さんの゛共生の思想゛に新鮮さを感じた。


備 考  
ニュース源 自社  記事種   写真枚数 1