日 付
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2002/05/15 |
朝・夕刊
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別刷 |
面
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特集 |
頁
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18 |
版
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1版 |
見出し
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WUBの可能性/地球を結ぶ人間山脈/人材育成がカギ |
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本 文
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WUBの可能性/地球を結ぶ人間山脈/人材育成がカギ
30万人を超える世界のウチナーンチュ・ネットワークの中で、国際レベルの経済交流を推進するWUB(ワールドワイド・ウチナーンチュ・ビジネス・アソシエーション)の活動ぶりや可能性に注目が集まっている。現在、15カ国で19支部を立ち上げた。会員らは「琉僑ネット」構築を目標に連携を強める。5大陸に散らばるウチナーンチュの゛人間山脈゛がどのように結束を図り、海外県人社会や沖縄の発展にかかわっていくのか。WUBにはどのような可能性があるのか。
過去三回の「世界のウチナーンチュ大会」の開催を通じ、国内外の県系人は着実に信頼の絆(きずな)を強めた。この絆をいしずえに今、ビジネス交流を模索しているのがWUB。発足六年目。これまでは支部拡大、人的交流、情報交換などで組織強化を図ってきた。具体的なビジネス成果を得るには至っていないが、着々と飛躍に向けた基礎条件を整えつつある。
今後の発展のカギは、ITによるネットワーク強化と人材育成。WUB東京の重田辰弥会長は「インターネットを活用した国境を越えたジョイントビジネスの展開やWebホームページによる各国WUBの会員およびビジネス紹介、多国語による沖縄特産サイトの立ち上げと発信などにより、WUBの可能性が開けてくる」と話す。
人材育成について、重田会長は沖縄と海外県人社会の相互の「ビジネスマンの交換研修制度の確立」を提言。WUBタイの大城忠会長は「資源の乏しい沖縄にとって人材育成こそが二十一世紀を生き抜く道」とし、沖縄からの海外研修生受け入れに乗り気だ。
具体的なビジネス交流にどう踏み出すか。WUB台湾の屋嘉比保会長は、台湾で現地法人登記や事務所賃貸借契約などに苦労した経験を踏まえ、「今後台湾に進出したい企業に会計事務所や不動産会社などを紹介したり、通訳から商品探しなどまで相談に乗り、応援したい」と話す。WUBが沖縄・日本から台湾への輸出の受け皿となることや、県物産公社との連携なども視野に入れている。各地のWUBでこうした提案を重ね、具体化していことが、WUBに活力を与え、゛琉僑ネット゛構築に展望を開くことになりそうだ。
県や県経済界に対し、WUBが従来行ってきた本土・海外ビジネスの展示紹介イベントへのより一層の支援を期待する声もある。
WUB 1997年9月、世界ウチナーンチュビジネス会議(りゅうぎん国際化振興財団、琉球新報社、ハワイ東西センター、HUB共催)がハワイで開催され、その中でWUB設立が確認される。国際的ビジネス・ネットワークの構築と会員相互のビジネス活動の促進を目的とする非営利団体。過去5回の世界大会を開催。今秋にはボリビアで世界大会が予定されている。2002年1月現在、会員数446人。
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