琉球新報 記事詳細

日 付 2002/05/15  朝・夕刊 別刷  特集  18  1版 
見出し インタビュー/経済で結びつき強化/県系人の地歩固めを/花城順孝県商工労働部長 
本 文
インタビュー/経済で結びつき強化/県系人の地歩固めを/花城順孝県商工労働部長


 ―WUBの動きをどう評価しているか。
 「WUBなどウチナーンチュ・ネットワークを使えば県内企業の活動領域が広がる可能性がある。県内産業振興の立場から非常に期待が持てる。海外県人も世代交代をするに従い、沖縄との結びつきが希薄になっている。ビジネスネットを広げることは、若い世代に沖縄との結びつきを継承していく上でも非常にいい活動だ。県系人が経済力をつけ、誇りを持つという大きな意義がある」
 ―県系人のビジネス拡大を図る上で県の役割は。
 「県系人がそれぞれの国・地域で頑張って地歩を固める―ことを助けるネットワークの構築が必要。現在のWUBは持続的な推進体制がまだ弱いと聞く。国際的な活動をコーディネイトできる人材の育成が必要。次期振計のテーマは民間主導の自立型経済の構築。その観点から県としても県内だけでなく、国際的な沖縄出身者の経済活動をどう支援するか、検討していかねばならない」
 「県としても、県海外事務所やジェトロ、WUBなどのネットを使って、各国の実情や県系人のビジネス実態を把握、支援策を考えねばならない。その上でいろんな便宜供与、情報提供をしていかなくてはいけない」
 ―県人社会へのIT導入で県は何ができるか。
 「各国の活動をつなげる手段としてITは積極的に活用する必要がある。高度情報化社会の実現は県の振興策の大きなテーマ。その中でWUBに対するIT環境の側面からの支援も検討せねばならない。沖縄からのきっちりした情報発信の体制やコンテンツを整備する中で、じかに沖縄の現状が海外の人に分かるようネット活用を考える」
 ―人材育成はどうか。
 「国際的な経営感覚をもった企業家育成は焦眉(しょうび)の課題だ。今後の十年計画で本格的に取り組む必要がある。これは県系人のビジネスを支援する意味でも重点的にやらねばならない施策だ」



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