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日 付 2002/10/23  朝・夕刊 朝刊  経済  9  1版 
見出し 広がる琉僑ビジネス網/上/WUB世界大会ボリビア報告/結束の成果/大豆輸入の商談が成立/国外参加は過去最高 
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広がる琉僑ビジネス網/上/WUB世界大会ボリビア報告/結束の成果/大豆輸入の商談が成立/国外参加は過去最高


 ボリビアのサンタクルス市で十一日に開かれた第六回WUB(世界ウチナーンチュ・ビジネス協会)世界大会ボリビア2002。県系人約百八十人が集まり、会議や国際商談会を繰り広げた。主催のボリビアを除くと、八カ国から約百四十人が参加した。国境を越えた参加者はこれまで七十―百三十人程度で推移しており、今回が過去最大規模となった。ボリビアから関西へ飼料用大豆取引の商談もまとまるなど、実務面でも成果を上げた。大会を振り返り、WUBの今後を展望する。

 WUBは世界各地に点在するウチナーンチュの人脈を生かし、個々の事業の発展につなげようと一九九七年に発足した。設立六年目だが、年々、着実に輪を広げており、現在は二十一支部、会員約五百人に達している。
 今回の参加支部は沖縄、東京、関西、ハワイ、ロサンゼルス、ペルー、アルゼンチン、ブラジル、台湾、タイ、ボリビアの十一。パラグアイの三人も非公式(オブザーバー)参加した。参加はアジア、北米、南米にまたがり、WUBの世界的広がりを印象付けた。
 大会では「WUBの人的つながりを生かし、事業上のつながり(ビジネス・ネットワーク)を構築し、さらに繁栄を図りたい」(呉屋守将WUBインターナショナル会長あいさつ)と、結束の意義を再確認した。
 引き続き開かれた国際商談会では、会場の二十余の円卓が参加者で埋まり、互いの事業を紹介して実質的な交流を深めた。その中で、牧場と焼肉店を経営する金城利則氏(WUB関西副会長)がボリビアのオキナワ農牧総合協同組合(CAICO)から飼料用大豆を輸入する商談もまとまった。
 会場の入り口付近では国際商品展示会もあり、各国支部が持ち寄った食材や衣類、本が所狭しと並べられ、多くの人が興味深そうに見入っていた。原色が並ぶさまは文字通り゛多彩゛で、国際色豊かなWUBらしい展示会となった。
 印象深かったのが中田マルコスWUBボリビア会長のあいさつ。「(県系人移住地の)コロニアオキナワは゛ボリビアの小麦の首都゛と政府に認知されるほど発展した。われわれの父母や祖父母は言葉や価値観の違いを耐え忍び、土地を耕し、道を通してきた。称賛に値するその不朽の足跡を見てほしい」。簡潔だが感動的な言葉だった。
 「ボリビア経済の展望」と題して講演したエコノミコ銀行頭取のフスト・Y・カクダ氏は「皆さんがこの国をよく理解し、投資されることを祈ります」と呼び掛けた。夜の交流会には、ボリビアで大統領に次ぐ実力者とされるフスティニアーノ持続開発企画大臣も加わった。
 翌日の表敬では、土曜日の閉庁日にもかかわらず、サンタクルス県のアポンテ知事やサンタクルス市のフェルナンデス市長が面談に応じ、カクダ氏と同様に呼び掛けた。要人の言葉は、日本など先進国に寄せる経済交流面の期待の強さをうかがわせた。(政経部・普久原均)


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