日 付
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2003/03/06 |
朝・夕刊
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朝刊 |
面
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その他 |
頁
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4 |
版
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1版 |
見出し
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<記者の余録>南米に残っていますよ/普久原均(政経部) |
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本 文
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<記者の余録>南米に残っていますよ/普久原均(政経部)
昨年秋に南米を訪れた。世界ウチナーンチュ・ビジネス協会(WUB)の取材でボリビアなど3カ国を回ったのだが、各国県人会の歓待ぶりに驚いた。心のこもった手づくりの歓迎行事が続き、交わす言葉も、まるで久しぶりに会う親類のようだった。
筆者は別の取材の手配もお願いしていたから、忙しい県人会をさらに煩わせた。しかし、どの国の県人会も面倒がる様子をおくびにも出さず、早朝から夕方まで十数時間もかけて取材先を案内してくれた。
慣れない旅先での親切は本当にありがたい。礼を言うと、ある県人会の人は「同じウチナーンチュなのに。当然でしょう」と、恐縮するこちらを逆に不思議がった。
その人が漏らした言葉が印象的だった。「私も沖縄に帰ることがあるけど、沖縄の人は゛忙しくて会えない゛なんて言うんですよねえ」
横のつながりを大切にし、初めて会う人も歓待するのが自然な彼らからすれば、久しぶりに訪れる知人と会わずに済ますことが信じられないに違いない。彼らが訪れた時、同じような親切ができるだろうか。そんな思いが頭をよぎった。
イチャリバチョーデーは沖縄の歓待精神を表すというが、今の沖縄は本当にそうだろうか。「ウチナーは南米に残っていますよ」。あるおばあさんの言葉が胸に残った。
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