琉球新報 記事詳細

日 付 2003/03/12  朝・夕刊 夕刊  政治・行政  2  2版 
見出し <東京発沖縄マインド>システム開発で事業拡大/県出身者を毎年採用/日本アドバンストシステム社長/重田辰弥さん 
本 文
<東京発沖縄マインド>システム開発で事業拡大/県出身者を毎年採用/日本アドバンストシステム社長/重田辰弥さん


 本籍地が奄美だったので国費試験を受けられず琉球大に進むが、「広い世界を見たい」と中退。早稲田大を出た。
 「復帰前で沖縄に閉塞(へいそく)感を感じたので、Uターンしようとは思わなかった。東京の方がエキサイティングで魅力があった」
 東京で一時、琉球新報の記者として働いた後、行政管理庁入り。そこでコンピューターに出合う。国家公務員から経営コンサルタント会社に転身した。十年勤めシステム営業部長の時に六人の部下を引き連れて退職。コンピューターのシステム開発を手掛ける日本アドバンストシステムを創設した。
 創立二十五年を経た現在では、従業員二百人を超える企業に成長。このうち三十人が沖縄出身者だ。本社のほか、大阪、沖縄、静岡に事業所を置く。二〇〇二年九月決算期の年商は十七億五千万円。創業以来一度も赤字決算に陥ったことはない。 会社を興してから青春の地沖縄に人一倍郷愁を感じるようになり、沖縄にこだわり続ける。「毎年、沖縄出身者を採用している。県内に二百人のOBがいる。沖縄の雇用の拡大、IT関連の人材育成に役立ちたい」と話す。今春も沖縄から二人の採用を内定した。
 WUB(ワールドワイド・ウチナーンチュ・ビジネス・アソシエーション)東京の会長としてもリーダーシップを発揮する。包容力あふれる人柄で信望を集めている。
(東京支社報道部)
 (毎週水曜掲載)

ふるさとへの一言

 「Uターンするのはいいが、手ぶらで帰ってはいけない。付加価値を伴うUターンであるべきだ。できれば、雇用の場となる企業を持ち帰ってほしい。本土で培った知識、人脈を沖縄で生かすことが大切だ。それが沖縄の発展につながる」

 しげた・たつや 1940年4月12日、旧満州ハルピン生まれ。那覇市安謝出身。那覇高、早稲田大卒。新聞記者、国家公務員、経営コンサルタント会社システム営業部長を経て、78年株式会社日本アドバンストシステムを設立。会社は品川区西五反田2の12の3、第一誠実ビル。




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