琉球新報 記事詳細

日 付 2003/05/24  朝・夕刊 朝刊  経済  9  1版 
見出し <焦点インタビュー>世界政治フォーラム参加/経済交流の要石に/平和構築のスタンス大切/WUBインターナショナル会長/呉屋守将氏 
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<焦点インタビュー>世界政治フォーラム参加/経済交流の要石に/平和構築のスタンス大切/WUBインターナショナル会長/呉屋守将氏


 十九、二十の両日、イタリアで開催された「世界政治フォーラム」に、県内から唯一、金秀本社会長でWUB(ワールド・ウチナーンチュ・ビジネスアソシエーション)インターナショナル会長の呉屋守将氏が招待され出席した。会議はゴルバチョフ元ソ連大統領やアンドレッチ元伊首相ら世界の要人が多数参加。「世界の経済交流のキーストーン(要石)になりたい」とスピーチした呉屋氏に、会議の感想や意義などについて聞いた。
 ―会議の印象を。
 「共通項は、少数の国(米国など)によるユニラテラリズム(単独行動主義)の台頭へ危惧(きぐ)が示されたことだ。ゴルバチョフ氏は冷戦時代でも互いにダイアローグ(対話)を持っていた。そういうテクニックを使えるはずだと話していた」
 ―国際社会・政治の重要テーマは何か。
 「貧困の問題が論じられたし、国連のあり方への懸念も示された。ガリ元国連事務総長は手ぶり身ぶりで今の国連は谷底にあるが、国連加盟国の力を結集し、再生しなければいけないとした。常任理事国の拒否権で機能しなくなる国連を、世界の人民に役立つ機関に改革が必要だという意見もあった。国連がイラク戦争を阻止できなかったことを悲観せず、国連を再生させようという意見もあった。そのためにフォーラムを立ち上げたということだった」
 ―スピーチの機会があったようだが。
 「沖縄は米軍基地のキーストーンではなく、世界の経済交流のキーストーンに変わらないといけない。それは可能だと確信しているし、それが夢だと述べた。会議に参加して沖縄は島しょ国を代表して意見を言う立場にあるのかなと感じた。これからの時代は世界平和を皆のために構築するスタンスが大切で、一部の独走を許してはいけない。声を出し切れない国、地域に配慮する政治が必要だと思う」
 ―会合の意義は何か。
 「会議の役割を悲観するような意見に対し、ゴルバチョフ氏がこの会議が単なるトークショーなら私はすぐ帰ると啖呵(たんか)を切り、元首脳クラスが力を合わせ影響力を行使するために集まったと強調したのが印象的だった。政府間のやりとりだと発言によって後に引けないということもあろうが、元首相、元大統領であれば、現役とは違った視点で世界平和の枠組みについて語れる。テロの対応でも分かるように、国益の追求と世界の利益が一致しないといけない」

呉屋氏スピーチ要旨

 グローバル化の波の中、近年異なる政治・文化圏同士のコミュニケーションにおいて、経済的なコミュニケーションは重要な役割を担っている。琉球王国時代、われわれの祖先が外国との交流を通してチャンプルー文化なる政治的・文化的交流を築いてきたように、経済的コミュニケーションは、単なる通貨や物流だけを指すものではなく、生活レベルでの深い交流というものを可能にしてきた。
 現在、WUBインターナショナル会長として、世界各国に広がるウチナーンチュ・ネットワークをビジネスパートナーとしてのきずなで結び合う手伝いをする中で、経済的交流が政治文化、世代の懸け橋となっていることを実感している。またOKIDOの社長として、沖縄県への金融特区設置を提案してきた中で、名護市で実現する運びとなり、大変うれしく思っている。この金融特区が沖縄、日本のエネルギーの核となり、アジア、世界の経済的コミュニケーションへ貢献ができるよう努力していく所存です。




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